メジャーデビュー

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親友が放浪し、コロンビアに住むようになってから何年経っただろうか。
「成功するまで帰らない」
そう言い残して去った。何をもってして成功というのか今では考えなくなった。
そいつの日記を読むと、絶対にコロンビアには行きたくないという読後感しか得られない程壮絶な生活を送っているとこっちは思ってしまうが、本人は至って前向きなスタンスである。
前向きなスタンスを見せ付けてくる。
HOUSEが好きだったはずの俺が、めぐりめぐって今では「アイドルポップやアニソンの間に渋いHOUSEやテクノをかける人」と評されている。実際今が一番楽しい。
奴とバンドをやっていた時も同様に節操のない、且つ今でも少ない引き出しの更に1/100程度で、目を背けたくなる記録もある。
だのに何故だろうか、ビデオを見ていると無性にまたステージに立ちたい、馬鹿をやりたい、こいつら何でこんなに楽しそうなんだ、そう思うことの方が多い。
「俺がデカいステージの真ん中にいて、お前が横でギター弾いてる」
これは高校の頃の言葉ではなく、少し前の奴のmixiメッセージ。
しばらく廃人になる前にとっとと日本に帰ってこいとしか思えなかったし、今でもそう思っているが、まずは奴が遠い地でデカいステージに立つことを祈ろう。
夢は逃げない、夢から逃げるのは人間の方だ。
・・・奇跡が起きた時のためにギターを磨いておこう。
一方、好きなアイドルのメジャーデビューが決まった。
タイトル曲にどうしても馴染めず、ブログに書く気も起きず、Twitterでは酔いに任せてネガティブなポストをしてしまって罪悪感。
曲の評価そのものに加えて、スタッフの働きぶりへの印象や、トントン拍子にいきやがってという妬みが全く無かったといえば嘘になる。無粋であった。
でも奴らはお遊戯的なそれを完全に超えた状態で、ヲタに媚びているのか揶揄しているのか分からないフリさえもサラっとやってのけた。
今まで与えてくれた感動も忘れて一瞬でも現場から遠のいたこの足を恥じた。
好きな人を応援する、こんなことも出来ないくらい俺の心は廃れているのかと、自責の念にかられた。
ももいろクローバー、改めてメジャーデビューおめでとう。心から紅白出場を願っています。
Twitterで知り合った人も含めると、多くの人がやりたいことを成す為にその日を生きている。
連絡が途絶えたり、対面しなくなったりする内に気持ちが離れていないだろうか。約束を忘れていないだろうか。
縁という言葉があるように、タイミングや相性もあるだろう。
でも俺は大切な人を心から応援し、自分都合でだけ付き合うのは辞めようと思う。
そう気付かせてくれた人々に、感謝するしかない。

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