寿司屋の女

NO IMAGE

10年くらい前まで、子供の教育に
勤しんであまり家を出る機会が
無かった母が、それから解放されて
羽が生えたように遊びまくっている。
それまでに相当大変な介護問題とか
乗り越えてきて、本当に良かった。
ちなみに「要介護レベル5」って
知ってる?ただの凶暴なゴリラに
なるんだよ人は。
うんことか投げてくる。
それで最後は何も出来なくなって
ただ心臓が動いてる状態。
周囲の人間はそうなる随分前から
良からぬことを期待したり、
ちょっとずつ狂ったことを
言い始めたりする。
少なからずそういう状況に
10年近く関わった俺は、それでも
「自死」「尊厳死」「他殺」は
認められない。
どんなに劣悪な状況でも生き抜く
方を取りたい。機械による延命に
どこまで意味があってどんな
好例があるのかなどは調べてないけど・・・
命は軽くもあり重くもある。
相対化してしまう傲慢な存在故に、
自分の命をコントロールできると
思うのは早計。
リアルな死を感じたことが無い
人間の児戯。
「死にたい」とか
「このまま眠り続けて死ぬ」とか
カジュアルに言い放って周りに
影を落とすのはやめるべきだ。
それならその身体を命を何か他人の
ために使ってみてから死んでくれ。
いくらでも奉仕の手段はある。
最期まで自分しか見えないままで
終わるな。
・・・
母は外に頻繁に出るようになると
性格もみるみる明るくなって
社交的になってゆく。
そんな中で交友録を聞かせてもらうのも
俺の楽しみの一つとなっている。
先日3週間程のアメリカ旅行から
帰ってきたが、アメリカの土産話よりは
寿司屋の女の話に花が咲いた。
場所は銀座のとある寿司屋。
有名な作家の息子で、一度も労働した
ことがないという放蕩息子には
美人の再婚相手がいた。
その女が寿司屋で一枚の写真を
取り出すと、周りは写真にうつる
若い女を見て、昔から綺麗だったのねと
賞賛したという。
女曰く、それは男の前妻の写真で、
あまりにも自分に似過ぎているから
面白くて携帯しているとのこと。
女は夫が前妻に似過ぎた女を選んでいる
ことにも動じない。
写真を携帯・開示している異常行動も
夫婦共にただのツカミの行為としての
常套手段という・・・
何その遊び・・・
そこに現れた新たな女。
女Bとしよう。
寿司屋は50代~60代の常連で
ひしめき合っており、女Bは唯一の40代。
実際そこまで美人ではないというが、
キャバクラにもいない年代、周囲の
ババアよりは一回り以上若い、という
ブランドと酒が男たちを発奮させた。
結構な稼ぎとは思うが、キャバクラ
止まりのおっさん達お疲れ様です。
「私、絵のモデルとかもやってるんですぅ」
まあその手の女は自尊心が低いため、
スキマ産業としてそういう市場に
繰り出している、ということは
おっさんも家に帰って寝る頃には
冷静になり気づくのだが。
ただ、異様なまでにモテたらしい。
女Bが作家の息子(めんどくさいので
作家にしよう)に目をつけた。
※80年代火サス設定過ぎるため、
 どんな表現をしても嘘臭くそして
 安くなるのはご了承いただきたい
とは言っても作家は嫁と寿司屋に
来ている。
女Bは構わず、作家に身をすり寄せ、
わきまえたキャバクラの常連なら
逆に説教されかねない露骨さで
迫ったという。
恐ろしい・・・
女Bの口からでる言葉は
「金、金、金・・・」
流石に周囲の人間は血の気が引き、
関わりを持たないようやり過ごした。
嫁と女Bでバチバチきていて、
作家は平然としているという。
そんな世界どこにでもあるんですかね?
今でも寿司屋は変な空気らしい。
P.S.
女B「私、絵のモデルとかもやってるんですぅ」
我軍「やっぱり全部脱いじゃうの!?ガハハハハハハハ」

未分類カテゴリの最新記事