前を向く

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他人が過去に囚われて泣いたりしていると、
「前を向けよ」と思ってしまったりする。
でも自分はどうだ。
あの人の音楽を聴いたら
声を上げて泣いてしまうじゃないか。
俺なんかよりもっと苦しい人はいるに
違いないのに、時が経っても変わることのない
この気持ち。
「それだけ大きなものを遺してくれたんだから」
と、どうにかメタになって、受け取った気で
頑張ろうと思える部分と、どうしようもない
喪失感がずっと同居している。
みんなそういった、近親者に限らず
身近な「死」を乗り越えて生きている。
止まったままの時計をほんの少しは
動かしてきたつもりだった。
でも結局はコンプレックスなり喪失感なりが
前へ出て、都度立ち止まってしまっていた。
こういったことを忘れることなく、
もっとネジを巻くなり、身体を震わせるなりして
その時計を先へ先へと動かさなければならない。
時代の後退に飲まれている場合じゃない。
止まっているのは彼のせいではない。
全ては自分次第だ。このブレーキをはずせ。

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