【16冊目】少女ファイト

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少女ファイト(8) (イブニングKCDX)
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8巻読了。
先ほどTwitterに乱暴に書いたら

https://twitter.com/tonya_harding/status/95301898634149888

結構な数ふぁぼられてしまった。
思えば童貞時代からお世話になっている
日本橋ヨヲコ先生・・・
最初の出会いは「プラスチック解体高校」。
昔も今も変わらないのは、主人公格に
早熟な子たちが出てきて、甘酸っぱさは
ほどほどに、人間のドロりとした部分を
デフォルメされたキャラに演じさせる
事によって、リアルと虚構の間隙を
巧く縫っているような印象がすること。
また、王道、ベタ、これも重要。
自分が幼かっただけなのだろうか・・・
いや、やはり現実の中高生というのは
どこまでませていても、そしてどんなに
洞察力があっても、「子供だ」と
思わされることがほとんどだ。
また、自ら「子供」ブランドを駆使する。
これは大学生やモラトリアムにも
適用される。
日本橋先生は様々な才能を持つ子供や
そのまま職業としても代入できるような
ファクターを使って、これまで子供
というよりは社会を描いてきた気がする。
子供を使って社会を描く。
それが今度は学園モノかつ
「バレーボール」という
チームスポーツを用いている。
ここでも気になるのはビジネス、
政治がふんだんに持ち出されている事。
少女たちは一心不乱に白球を追いかけて
いて良いワケではない。
家庭環境、友人関係、恋愛、
大人の事情、死、様々なしがらみが。
今回気になるのは色んなしがらみを
近距離で凝縮し過ぎているようで、
すぐに色んな点と点が繋がって
納得性を持たせようとしているところ。
しかしながらそれは多くの作品同士が
場面を変えて少なからず繋がっている
日本橋作品の魅力でもあり、学園モノに
こだわる先生の世界の一面でもある。
(別の作品の人物が結構出てくる)
さわやかなラブコメ要素もあるにはあり、
(もちろん昼メロよろしくな部分も)
ただそれもだいぶ近距離なものが多く
読む者によっては抵抗を感じるだろう。
こういった俺の引っかかりや疑問点を
吹き飛ばすかの如く核心をついてくる、
「友人関係特有の問題の扱い」
「各キャラクターの気遣い」「覚醒」
などはやはりこの少女ファイトでも
担保されており、つまり先生のお人柄
なのだと思う。
現実離れしてると突き放したい一方で
(秀才キャラクターへの嫉妬など)
「思春期に少年から大人に変わる」
という、実際に変われるかどうかは
さておいて、部活でも良い、恋愛でも
良い、勉強でも良い、ひきこもりでも、、、
万人が共有する甘美かつ酸っぱい
変革期をズバリ言い得て、
「変われるんだ」
とメッセージを出し続けてくれる。
強くなる、勝つではなく、成長する、
変われるという過程を丁寧に
見せ続けてくれるので、先生の漫画は
いつまででも読む気になれるし、
俺にとっては教科書のようでもある。
カジュアルな学びとして
日本橋漫画は「本質」(本音)
漫画バーテンダーは「建前」
こんなところを勉強できると思う。
やはりどちらも重要なのである。
今後の展開はどうなるのだろう・・・
という期待感がそこまで湧き起こらない
のが良いことか悪いことかはわからない、
ただ身を任せられるのは凄いことだ。
少女ファイト(8) (イブニングKCDX)
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