ピストジャム著「こんなにバイトして芸人つづけなあかんか」 を読んで

ピストジャム著「こんなにバイトして芸人つづけなあかんか」 を読んで

メチャクチャ久しぶりに連絡が来ました。

しかも

「本出したので読んで」

という。凄い、新潮社から出版。

ここ最近、生存確認をするかのようにこのブログの

連絡フォーム
https://harding.jp/contact

から立て続けに連絡が来ます。

「元気です。最近はもっぱらモンハン サンブレイクにハマってます」

(マルチで寄生してただけのド下手が、色々ソロで回せ始めて一番楽しい時期)

と返して、ああ、連絡してみたのは時間の無駄だったな、と思わせるか、もっと気の利いた返事をかえすかで悩みます。

モンハンも、マッチングアプリで疲弊しきった心を癒やし、あわよくばゴマキと出会うために始めたのですが、いつしかマルチすらほとんどプレイせず、Youtubeのプロたちや解説動画に学びながら、ソロでドハマリするようになってました。

↑この書籍の著者である吉本の芸人さん、ピストジャムさんから連絡が来ました。数年どころではない、下手したら10年ぶりくらいに。

連絡の内容は本を読んで欲しいというもので、まあ売り込みなんですが、よく自分のことを覚えていてくれてたなという喜びが勝って、すぐAmazonで購入しました。

本の中でも本名を明らかにしているので、自分が呼んでいた 「かんしさん」 とここでは書かせていただきます。

かんしさんが芸人として羽ばたくことを目指しつつ、20年以上に渡り経験した様々な職種のバイト列伝を記した名著だと思います。

今も昔もずっとシモキタに住んでいて、本の中でも触れられているかんしさん勤務のバーに行ったこともあったし、あの頃のかんしさんはこうやって生きていたのか、と感慨にふけり、家庭教師エピソードでは涙もしました。

彼のおかげで少しシモキタに縁深い時期があり、良くお邪魔していたものですが、

・コミュニケーション能力が低い
・服、音楽、そして人間としてのセンスが弱い

こんな自分としては、当然のように結界が張られ、シモキタの持つコンテンツ、雰囲気などに馴染めないところがありました。

でも、街を根城にしているかんしさん、劇団員、芸人、バンドマン、古着、下北好き女、井上小百合、などにはどこか惹かれるところがあります。あと、映画版モテキで長澤まさみと待ち合わせたのがビレバン前なの憎すぎ。

ないものねだりですな。

いつしかそんなシモキタにも量産型タピオカ屋が出現しては消え、クラブやライブハウスも様相を変えるなどして、あの頃とは印象も変わっています。

自分語りや、かんしさんとの繋がりについては今回は控えめにしようと思います。

彼が強い心身を持って生き続けてきたから、芸歴20年、バイト生活20年を続けてこれたんです。文章の中には優しさ、独特のセンス、そして自分にとっては「強さ」が見てとれました。

そもそも男前で、人間的に頼もしい感じがするんですよねかんしさんは。だからひょんなことから仕事を頼まれたり、紹介される。

自分含めて、多くの人はそういうチャンスや強さが無いから、

そんなに働きたいならウチのルールで長期契約の奴隷になりな

というところに自ら軍門に下りに行きます。スパっと辞めることも難しい、傷をつければつけるほど、亜種のそういう会社たちに痛いところをつかれ不利な条件になってゆくから。

バイトのデメリットもたくさん語られていますが、自分はフラフラしていた時期も長かったので、凄く胸が痛む部分と、サッと引いて辞める部分に爽快さを感じるところもありました。

実は、本業が「バイト」にかなり関係している仕事なので、そういう意味でも凄いタイミングで連絡をいただけたなと驚きました。

そして、いろんな本を「必読」などと言いたがる世界におりますが、正直、ピストジャム、かんしさんの「こんなにバイトして芸人つづけなあかんか」に比べたら、どれもおんなじような内容で面白くなく、たとえ正しかったとしても面白くないから記憶に残らず、かんしさんの本の方が100倍タメになります。

そして、仕舞おう、仕舞おう、としていることをちょっとつついてくるような内容でもあり、泣けてきます。

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