灘中 奇跡の国語教室

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灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)
灘中 奇跡の国語教室 – 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)
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以前レビューした
「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」
に続けて、作中で気になっていた
「恩師の条件」
(黒岩知事、著。橋本先生の教え子)
をアマゾってみると絶版で価格が高騰!
・・・ついこの8月に
好機と見てか新書版が刊行され、
題名もビジネス書ブームライクに
変更され、まあそういった諸々は
今回俺にとっては本質ではないので
無事入手することが出来た。
好きな本の中で紹介されている本を
気になって調べてみると、いわゆる
ランキングやアマゾン評価では
それほど目立っていなくても、
自分が良いと思えるものが多い。
これはイイパターンだと思う。
示されたガイドラインやロールモデル
によって知識を得たり成長することも
近道ではあるが、自分で深堀りしていく、
これをどれだけしていくかが1つ
ポイントになると考えている。
今回書評を踏み切るのに無駄に
時間をかけた。書評そのものは
思い立ったらすぐなのに。
なので立ち返った。
そもそも詩的に、スマートに書く
ことは諦めていたはずなのに
何を迷うことがあろうかと。
(友人、知人のレビューや同人誌を
 見て素晴らしいので、思うところアリ。
 プアな己の表現にはこれでも
 恥じているつもり。でも書くしかない)
冒頭に述べた「深掘り」これこそが
本書、また灘の橋本先生のテーマ。
また、自分が最大に引きこまれたのは
・ガリ版刷りへのこだわり
・宝塚にハマり過ぎて宝塚にも祝われる
ここであった。
詳細は本を読んでもらうとして、
・中身も外身も手作りである、
 効率化よりも手作りにこだわる
・スターに敬意を表しながらも
 自らももてなしの心で接する、
 しまいにはスター達に祝われる
この辺りは真に迫るものがあり、
宝塚の章では泣いた。
「銀の匙」という本を中学3年間かけて
学ぶ、というのはどういうことか。
細かい表現1つ1つの解釈に時間をかけ、
大いに脱線もし、作中の少年の人生を
追体験してみる・・・
と言ってしまえば
「何となく3年ぐらいかかるだろうなぁ、
それでいて国語力もつくだろうなぁ」
という想像ぐらいは喚起できるだろう。
そこに教師の徹底したクレイジーな
までのこだわりや仕事ぶり、人生を
見せつけることによって、
(それでも国語嫌いの生徒が数%いた
というのだからその生徒にとっては
地獄だったかも・・・)
人間力であったり、人生を
「シソーラス辞書」のように生きる
という楽しみを生徒は学ぶのではないか。
自分の場合、穴を掘るような深掘りの
人生とは無縁で、いわゆる浅く広く
という生き方だった。
逆にごく浅く広くであればかなりの
ことに興味があるため、少し突っ込んで
勉強してみたことに関しては
「点と点(線)がつながる」というような
カタルシスが得られることが多々ある。
浅く広く手が伸びていってしまうのは
生まれつきの習性のようなもので
仕方ないとして放っておき、
意識的には何か1つのことに集中してみる。
それでいいのではないか。
「人生をシソーラス辞書のように生きる」
というのは気に入ったので使っていく(笑)
これも橋本先生や黒岩知事の本を
読まずしては思いつかなかった。
自分は灘中の橋本学級でなかったから
不運だった、学べない、ではなく、
これだけ関連書籍があることが嬉しい。
対面の学びには勝るものは無いが、
どんな教育だったのかを大筋で追える。
 それでは・・・
 Beat your cajon!
 
  ※「Beat your cajon(カホン)!」とは・・・
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