VHSテープを巻き戻せ! 新宿AIRSの思い出

VHSテープを巻き戻せ! 新宿AIRSの思い出

VHSテープを巻き戻せ!
https://www.uplink.co.jp/vhs/

観ました。

顔たち、ところどころ
顔たちところどころ

もそうだったけど、UPLINKは凄く良い映画をチョイスしてくれる。写真でこんな生き方、闘い方ができるのか、と、JRというアーティストに心底感銘を受けました。

「VHSテープを巻き戻せ!」も良いタイミングで観た。レコード、カセットテープ、ビデオテープ、時代に合ってないでしょ?ヴァイオレット・エヴァーガーデンに出てきた、手紙、自動手記人形も時代に合ってない。ドキュメンタリーの中でも、VHSはやがて消えゆくだろう、いやそんな事関係ない、自分は集め続ける、超大物からカルトな人まで語っていてとても面白かったです。

でも不思議・・・時代に合っていない、多くの人が違うものを求めるから、旧メディアや手法が廃れていく、とする。そこに何の疑問も持たずに「大事なのは適応力」という側面だけ観ていると、何にでも何処へでも安価にアクセスできるような自由?みたいなものや、それにより20~30年前とは比べものにならないほどすべてが進化しているように錯覚しそうだけど、果たしてそんなに飛躍的な便利さや、そして肝心な「豊かさ」が得られているだろうか・・・それが多くの人に開かれているだろうか、と考えたりします。

再生するだけでテープそのものも劣化してゆき、それの子、ダビング先のテープなんて今の基準じゃコピーとは言えないくらいの代物で画質が劣化。でも、学生のときにレンタルビデオ屋でバイトしたり、新宿のAIRSというトンデモな店に通ったりしたのは、自分にとっては大切な記憶です。

おぇ・・・と、えずきながら入荷処理をするビデオがあったり、市場に出回る前の作品を最速で!というような快感のみを頼りにダビングしてガッカリしたり笑、何度ダメだと言っても一般作品に挟んでアダルトビデオをレジに持ってくる少年の兄弟がいたりwww

自分自身、もうVHSはこれくらいしかなくて(アダルトを含めればこの数倍はありますが・・・)、ほぼ処分してしまったのを、こういうときに後悔するんだけど、確かにほとんど観なくなってしまっているし、保管場所が・・・だからコレクターは狂っていて最高です。マニア達の、ズラリ整然としていてもドッサリ汚くても、大量のビデオテープに囲まれた生活を映像で観ると羨ましくて仕方ない。

10代の頃、西新宿のAIRSというお店に結構通っていました。この名を聞けば思い出す人も沢山いるような有名店で、今となってはあらゆる意味であり得ない凄いお店。ライブを盗撮したビデオや、音源や映像のブート盤を大量に扱う店だったんですね。しかも、クオリティはピンからキリまであって、例えゴミ画質のものを買ってしまっても「金返せ!」って言い難いところがまた良い。みんなもどういう店でどういうつもりで買ってるかわかってるから笑。

それだけだと「まあそんな時代もあったね」というお話なのですが、この店がヤバいのは、時の超大物ミュージシャンが来日公演ついでに店に遊びに来てたこと!Enuff Z’nuffなんて店内でアコギでライブまで始めちゃって、しかもその映像をまたAIRSが売っているというwww 冗談みたいなことが起きてた。他にどんなミュージシャンが訪れてたかはググってみてください、驚くから。

今ではそんなお店の存在とミュージシャンとの関係性自体があり得ないけど、想像するだけでもSNSで「著作権的にアウトですよね?」「ミュージシャンにも責任ありますよね?」「まっとうに商売している人たちが可哀想」だなんて書き込みが何十万シェアとかされるんでしょ?正直嫌な時代ですよ。

AIRSに向かうまでの道のりで、当時のバンドのボーカルの奴と

これを歌っていたら(嫌なガキ)、お洒落な中年女性が近づいてきて(やべー絶対怒られる・・・と思いますよね)、

「あなた達素敵な歌声ね!」

と笑顔でお声掛けいただいて、本当に嬉しくてそいつと舞い上がってました。(京都では「やかましいわガキども!散れ!」の意)

この時のボーカル、サミーヘイガーも素晴らしいですが、エディーのギターってライトハンド奏法だけじゃなくて、リフやオブリが「音楽」そのものでその他大勢のギタリストと一味も二味も違って革新的なんですよね・・・自分も影響受けてますし、大物ではB’zの松本さん、パッと聴き関係無さそうなJUDY AND MARYのTAKUYAさん、その他多くのギタリストが多大な影響受けてます。AIRSでヴァンヘイレンのアレなビデオにもお世話になったな・・・

と、自分はVHSどっぷり世代だったのもあって、このドキュメンタリーには結構喰らいました。最後に、我が道を行きまくり、30年近くモンスタムービーを撮り続ける男闘呼・デビット・ロック・ネルソンの叫びを張ります。(もちろん泣いた)

Bon Jovi「These Days」の2番思い出しちゃいましたね。

Jimmy shoes busted both his legs, trying to learn to fly
From a second story window, he just jumped and closed his eyes

His momma said he was crazy – he said, “momma, i’ve got to try
Don’t you know that all my heroes died?
And i guess i’d rather die than fade away.”

ジミー・シューズは両足を骨折した。
2階の窓から空を飛ぼうと目を閉じて飛び降りた

ママは彼を狂っていると言った、でも彼はこう答えた「ママ、やらなきゃいけなかったんだ
ヒーローはみんな死んじゃったでしょ?
徐々に消えるくらいなら、死んだ方がマシだよ」

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